近年、ネットショップ(ECサイト)による売上は右肩上がりで、年々その市場規模は拡大しています。
ほとんどの企業がネットショップ運用で失敗していますが、そんな中「取り組み方」の工夫で大成功している企業も存在します。
では成功している企業はどのような運用をしているのか?
今回はそんな疑問にお答えし、解説していきます。
目次
1.“ブランディング”戦略の重要性
ブランディング(差別化)とは、自社商品の強みや特徴を探り、それを確立し、ユーザーに認知してもらうことです。
例えば、アップルやルイヴィトンの商品を『価格が安いから』という理由で購入する人はいないでしょう。これは、それぞれの企業がブランディング戦略に成功していて“ここの製品だから購入する”という絶対的な付加価値を持っているからです。
まずは、お客様にとって価値のあるブランドであると認知してもらうことが重要となります。
次に、ECサイト(ネットショップ)をユーザーが閲覧したときに与えるイメージについて考えます。結論、ECサイト閲覧時に与える印象・イメージはとても大切です。
理由としては、下記の2つがあります。
①ターゲット層を明確化することができる。
②高い視認性は商品購入に直結する。
特に商品販売という目的が明確なECサイトでは、見やすさや、使いやすさは成果に直結するので必ず抑えておくポイントです。
では、具体的になにをすれば良いかをいくつか紹介します。
・ブランディングによって確立されたイメージをサイトのデザインで表現する。
・制作風景や自社商品のこだわりがわかるコンテンツページを用意する。
・商品が生活に溶け込んでいるような写真を掲載する。
・季節のイベントにあわせて、自社商品をアピールする。
補足:自社ネットショップに掲載する商品を選定・開発する際に、マーケットインという考え方があります。マーケットインとは、ユーザーが求めているものを調査してそれに基づいた商品を企業が開発・提供するという考え方です。
基本的な考え方ではありますが、ユーザーが本当に求めているものを提供するということもとても重要です。
2.いくら売れたか?いくつ売れたか?ではない、注目すべきは“サイト訪問者数”
ネットショップを自社で運用している企業が一番やってしまう失敗例が「今月はいくつ売れたか、いくら売上があがったか」ばかりを気にしてしまうことです。
もちろん気持ちはわかりますし、売上を把握することはとても重要です。しかし結果だけに目を向けていても売上が伸びることはありません。
重要なのは自社のECサイト(ネットショップ)にどれだけの人が訪れたか(サイト訪問者数)を把握することです。
<購入数と売上金額>
「サイト訪問者数」×「購入率」=購入数
「サイト訪問者数」×「購入率」×「客単価」=売上金額
上記の計算式からもわかるように、母数であるサイト訪問者数を伸ばせば購入数も売上金額も上がります。
つまり、サイト訪問者数を増やすために本当に必要なのは“集客力”なんです。
では、集客力を伸ばすためにはいったい何をすればよいのでしょうか。
3.今からできる、集客力を上げるためにおこなう2つの取り組みz
①集客数の目標を設定する
まず、自社のECサイト(ネットショップ)にどれくらいの人が集まっているのかをグーグルアナリティクス4(GA4)という無料解析ツールを使用して把握します。
そして訪問者数がわかったら、自社のネットショップでの売上目標金額には訪問者数がどれくらい必要なのかを計算します。
ネットショップ業界では、「購入率は訪問者数の約1~3%」と言われています。
現在の購入率がもし1%を下回っていたら購入率1%以上を目指すべきです。
例えば、月間の売上目標が50万円で、平均顧客単価が5,000円だとしたら目標の購入数は100回です。
仮に購入率1%を目指すなら、月間のサイト訪問者数は10,000人必要ということです。
②ショップのターゲットを明確化する
次は、自社の顧客像を明確にしましょう。
やみくもに集客するのではなく自社のターゲット層にあった集客方法を選択することが重要です。
■顧客像をイメージする。
取扱っている商品が「女性向けのオールインワン化粧品」で、強みが「時短できること」や「コスパが良い」ということであれば、「働く女性で、美容にかける時間とお金に余裕がない」という人物像が想像できます。
そしてこの顧客像にふさわしい集客方法を選び、サイト訪問者数や購入率のアップにつなげます。
例1:検索でヒットするコンテンツの作成
自社ECサイト(ネットショップ)内に、「仕事で忙しいあなたに朝晩の1分で出来る簡単スキンケア方法」というハウツー系コンテンツをつくる。自社商品を使ったスキンケア方法を紹介する。
例2:SNSからネットショップへと誘導する
女性の利用者が多く隙間時間で見れるインスタグラムで#1分でできる時短スキンケア、の投稿を呼びかけて口コミ効果を狙う。
自社商品のハッシュタグをつけてくれたユーザーには、クーポンや割引をサービスする。
例3:web広告を運用する
ターゲット層に対して、興味・関心を与えるような広告文やバナーを作りweb広告を出稿する。
4. “売れる”ネットショップに共通している6つの特徴
最後に“売れる”ネットショップに共通している特徴をピックアップしました。
- 商品が見つけやすくて、なおかつ購入までがスムーズに行える
- 商品の特徴や利用シーンが伝わりやすい写真が載っている
- 読みやすくて、分かりやすい商品説明が書かれている
- 購入者がよく利用する決済ツールが整っている
- 商品が充実していておススメ、トレンド、人気商品が一目でわかる
- 購入者の声、商品レビュー、商品使用例などためになるコンテンツがある
このように書き出してみると当たり前のようなことばかりですが、意外とすべてを網羅できているネットショップは少ないのが現状です。もしできていない項目があれば、まずは1つ改善してみてください。
まとめ
今回は、“売れる”ネットショップになるために今すぐ取組むべきことについて解説していきました。いろいろと具体的な例を挙げましたが、一番重要なことはサイトをしっかりと運用し、日々PDCAを回し続けることです。自社で管理しやすいネットショップ(ECサイト)を構築することでどの取り組みもスムーズに実現しやすくなります。
昨今、「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」を活用したネットショップの新規制作やリニューアルが増えております。
ぜひ、そのような補助金も活用しながら“売れる”ネットショップを目指してください。